挨拶/理念/基本方針

愛知県理学療法士会は昭和54年4月の設立から、理学療法士の学術技能を研鑽、人的資質の向上をはかり、理学療法を通じて保健、医療及び福祉の発展に寄与ることを目的に活動しております。
中国で発生した、新型コロナウイルスが世界中に感染拡大が続いており、我国でも医療、経済などに深刻な影響を及ぼしている中、新型コロナウイルス感染症の治療などに従事している医師、看護師、臨床検査技師をはじめとする医療関係者の方々に心より深く敬意と感謝を表します。
我が国は、国民皆保険や優れた保健・医療・介護システムの成果により、世界最高水準の平均寿命を達成し、また、約800万人の団塊の世代が75歳となる令和7年(2025年)は、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という超高齢化社会に、令和22年(2040年)には、高齢者数がピークを迎え、医療・介護の需要は今より更に高まり、社会保障の安定した制度の継続が課題となっています。また、「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」によると、「介護や福祉サービス」と「高齢者向けの住宅」を重視する人が増加。身体機能が低下して介助が必要となった場合でも、自宅に留まりたい人が7割弱もいます。その一方、大都市部での独居老人が増加、孤独死などの社会問題なども発生しています。
このような背景から、加齢に伴って生じる心身の変化による疾病等により介護を要する状態となった高齢者が、その有する能力に応じ、尊厳を保持したその人らしい自立した日常生活を営むことができるよう地域包括システムの構築やさらに地域共生社会の実現が求められています。
我々理学療法士は、急性期病院や回復期リハビリテーション病院を初め、介護老人保健施設、訪問看護ステーション、介護保険事業所から、地域医療・介護を提供する事により、「人間の生き方や社会と深く関わる」仕事をしています。
また、高齢者や障害者(児)の社会参加や地域の人々がもっと元気で長生きできる社会を作れるよう、「ウェルフェア事業の参加、風船バレーボール大会、スポーツ障害予防講座の開催、小児領域地域リハビリテーション連続講座、並びに、こどもの福祉機器展(チャレンジドフェア)」等の社会活動を毎年計画・実施しておりましたが、昨年からの新型コロナウイルス感染症の拡大により、事業の中止や延期等、士会活動も大きく変化し、集合研修などこれまで行ってきたことを引き続き行うのでなく、WEBによるLIVE配信やe-ラーニングの導入など活動が様変わりしました。
今後も、新しい生活様式にあった、ICTを活用した士会活動への新たな取り組みながら、理学療法が科学的根拠に基づく技術として確立し、市民の健康、病気・障害の回復、介護予防に寄与し、社会に求められるような専門職としての立場を確立していく所存であります。
令和3年6月
代表理事 鳥山喜之