「働き方改革」を実践されている施設を訪問しました!
この度、愛知県のワークライフバランス推奨のための認定制度である「女性輝きカンパニー」「愛知県ファミリーフレンド企業」の2種類の認証を取得し、実践している特定医療法人共和会共和病院について取材しました。
そこには、働き方改革として重要なキーワードである「お互い様」の精神が職場環境に反映されていました。
愛知県が推奨している認定制度の紹介を含めてご報告します。
施設紹介
特定医療法人共和会 共和病院
愛知県大府市
精神科病床186床
療養病床80床
運動器リハⅠ 脳血管疾患リハⅡ
リハビリテーション科総職員数25名(男:6名 女:19名)
PT7名 OT4名 ST2名 介護スタッフ9名 送迎ドライバー3名
関連施設: 通所リハ 訪問看護 グループホーム 等
導入
Q 認定を受けようと思った経緯について教えてください。
A 当時の事務担当者が様々な説明会に参加する中でこの制度を知りました。もともと役職者の中で女性の割合が多いため、まずは女性輝きカンパニーを取得し、その後、託児所、院内保育所、介護休業者もいた為に、ファミリーフレンド企業取得を行いました。事務作業が大変でしたが、他のスタッフのバックアップもあり取得することができました。
Q 認定を受けて、職場の働きやすさ等、変化したところはありますか?
A 元々、認定を受ける前から休みが取りやすく、働きやすい職場でした。認定の取得そのものが自分達の行ってきた事を後付けしたような状態でした。しかし、採用に関して新しく応募してくれる方は、認定マークやホームページを見て求人に応募してくれる方も多く、働きやすい環境と思って応募してくれることがあるために看板を背負っている分、責任を自覚するようになりました。管理者としても認定を意識してのマネジメントを行っています。
院内制度
Q 1時間休暇とは具体的にどのような制度ですか?
A 制度としては数年前から導入し、管理は総務課でシステム管理を行い上司が承認します。有休年5日分まで使用可能にしています。スタッフとしては始業時や終業時前の1時間を有休にすることで、体調不良の子供を病院へ連れて行くなど、家族のために有休を時間単位で利用することができてとても助かっています。
リハ科内の働き方や取り組みについて
Q 個人目標、リハ科目標について教えて下さい。
A 自分の目標を半期でレビュ―しています。年間通して限界値の9割達成するように取り組んでおり、リハ科で目標を達成すればいいのでお互いにカバーしながら行っています。急な休みに対応できるように、誰でもどの仕事でもできるように日々の業務から意識しています。
Q 休みが取りやすいとはどのような状態かを教えてください。
A 男性の育児休暇や院内保育所の利用も普通に行われています。女性が多く既婚者も多いために、男女問わず子供が発熱で休む事は当たり前となっています。その為に普段から複数担当制としており、急に休んでも対応することができています。
教育制度について
Q 教育研修への補助制度はありますか?
A 時間外で残ることはなく、実技練習などで臨床の時間は削れないため、教育については今後の課題です。一方、法人では教育委員会ができたので、法人の職員が統一して受けられる教育を検討中です。今後は専門職としてのスキルを上げていくシステムができるとよいと検討しています。育休明けの研修システムは特にありませんが、自分のペースでやらせてもらえたので、大変でしたが情報共有もでき不安はありませんでした。
福利厚生関連
Q 臨時保育について教えて下さい。
A 台風などで急に小学校の臨時休校があった場合は、部長職等管理職が中心となって院内空きスペースを利用して職員の子どもたちを預かるなど柔軟な対応をしています。施設側の理解があり、非常に働きやすい職場環境です。
【香取PT、壱岐部長、伊奈課長、中島OT】
取材を通して
病院の風土として医師を含めた多職種チームとして関わる風土がありました。以前には役職名はつけずに名前で呼ぶ「さん」付け運動があったそうです。リハビリは付加価値の存在として認められており、病院全体としての利益があれば良いと考えられています。「優しい医療・楽しい職場」の法人理念を実現しているようでした。病院全体のコミュニケーションがよく取れていることを感じ、コミュニケーションの重要さも再確認しました。壱岐部長の「家族に誠実になれない人が患者さんとその家族に誠実になれない」との言葉が印象に残り、この施設の本質であると感じました。ワークライフバランスにおける認証を取得することで、改めて施設の良さや問題点が見えてくることがあると感じました。
愛知県のワークライフバランス普及における認証制度(※詳しくは各URLを参照して下さい)
女性輝きカンパニーとは
女性活躍促進に向け、トップの意識表明や採用拡大、職域拡大、育成、管理職登用のほか、ワークライフバランスの推進や働きながら育児・介護ができる環境づくりなどの取組を行っている企業等を認定し、働く場における女性の「定着」と「活躍」の拡大を図る。
URL:https://aichi.jyokatsu.jp/advance/authentication
愛知県ファミリーフレンド企業とは
従業員が、仕事と育児・介護・地域活動などとを両立できるよう積極的に取り組む企業を認定する制度。
URL:https://famifure.pref.aichi.jp
愛知県理学療法士会 ワークライフサポート部
部長 内藤 貞子
取材者 神谷、岩佐、三次